令和7年度、公益社団法人上伊那教育会代表理事・会長を務めさせていただきます、南箕輪小学校の松﨑善幸と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
上伊那教育会は、教育の基本理念を「はじめに子どもありき」「限りなき土着性の追求」「たゆまぬ教師の研鑽」に置き、創設以来、職能研修団体として歩み続けてきています。その原点は明治12年(1879年)、県下に先駆けて創設した「上伊那郡教員集会」に遡ります。平成24年には公益社団法人になり、教職員の資質能力の向上に加え、新たに地域社会の発展に貢献する責務を担う教育会として再出発しました。常に広く会員や地域への情報発信に力を注き、その結果として各種の研修会・講演会・発表会・体験スクール等への参加者の増加や、地域との連携の深まりと広がりなど、公益性の高い教育会として着実に実績を積み上げてきています。
【本年度テーマ】共育・協育・響育 ~共に協力し、響き合って育つ~ |
昨今、学校は様々な教育課題に対応するため、中学校の複数担任制や、小学校での教科担任制が導入されるなど、これまで以上に教職員の連携と、チームで子どもたちの学びを支える場面が増えています。また新卒採用者が増え、若い教職員の姿が多く見られるようになっています。このような若い人材を支え育てることも、新しい教育課題として現在の学校や教育会に求められています。
そのために、我々は仲間と共に学び合うことを通して、教職員としての人間性や資質の向上を目指していきます。これは自身が子どもたちの成長の場において、最も大切な教育環境そのものという自覚に基づくものであり、このことはどのような学校どのような時代においても普遍的なものです。<共育>
故に教育会は、これまでも取り組んできたように、様々な校種や年代、立場にある教職員が集い、同じ志を持つ仲間としての繋がりをつくることを大切にします。そして、自ら主体的に研究と修養に努め、人間性や資質の向上を目指します。それらを実現するために、学校の内外において、若い教職員と経験のある教職員が、出会い語り合える場を積極的につくりたいと考えています。お互いの経験や思いを語り合うことを通して、それぞれの持つ良さを引き出し合うことを目指します。<協育>
令和7年は、終戦から80年という節目の年となります。教育会の負の歴史とも言われる「満蒙開拓青少年義勇軍」送出等に関わる史実を、このような機会に多くの教職員が学びたいと思います。そのために総研修会「仰望の日」(5/21)や、「郷土研究講習会」(7/12)、「少年の塔慰霊祭」(9/20)において、改めて「戦争と平和教育」について学んだり考えたりする機会をつくります。上伊那の教職員が確かな史実から学び、認識を新たにする(心に響かせる)ことで、これらを後世に伝えていきたいと願っています。<響育>
以上のことから、今年度のテーマを「共育・協育・響育」としました。会員が共に育つこと、互いに協力して育つこと、一人一人が響き合って育つことを目指します。
1年間、どうぞよろしくお願いします。
公益社団法人上伊那教育会 会長 松﨑善幸